海外在住者がよくお世話になる現地の行政機関というのがありますよね。
特に、必ずと言っていいほどお世話になるであろう2つの機関。
それは
日本大使館(または総領事館、領事館、領事事務所)と入局管理局(イミグレーションオフィス)。
いざという時に混乱しないよう、この2つの違いをしっかり把握しておきましょう。
以下にそれぞれの役割と、私たちが必要とする状況をまとめました。
>>海外在住のメリットとデメリット。12年住んだ経験から思うこと。
日本国大使館や総領事館と入局管理局
日本の国籍所持者である私たちが外国人として日本以外の国に滞在するとなると、
必ず関わることになるのが、在住国にある日本大使館または日本総領事館と、入局管理局。
この2つは全く違う機関で、私たちと関わる状況も役割も、できる権限も違います。
では、ひとつずつ見てみましょう。
日本国大使館 日本国総領事館の役割とできること
まず、大使館とはどういうところなのか。
大使館(たいしかん、英語: Embassy)は、国交が成立している外国に、自国の特命全権大使を駐在させて公務を執行する役所。総領事館や領事事務所などの領事機関および政府代表部と並んで、外交使節団の公館(日本の法令用語では在外公館)と呼ばれる。※wikipediaより引用
つまり、日本大使館は、日本の行政機関で、日本国外にあります。
私たち日本人の、現地在住者や旅行者のために動いてくれる機関と言えば分かりやすいですね。
大使館、領事館、領事事務所などを総合して「在外公館」と呼びます。
大使館はその国に1つしかなく、殆どの場合その国の首都にあります。
総領事館、領事館、領事事務所は複数あることも多く、首都以外の都市にあることが多いです。
※各種手続きのうち大使館ではできても領事館できないこと、大使館領事館どちらでも可能なこと、など場所に寄って違うこともありますので、必要時に必ず事前確認されることをおススメします。
私たち海外在住者が大使館や領事館にお世話になることと言えば、
- 日本のパスポートの発行
>>海外でパスポートが期限切れ。更新方法やビザページの注意など - 在留届の提出
>>在留届はいつ出すの?出さないとどうなる?たびレジとの違いは? - 在留届出済証明の発行
- 婚姻届・離婚届の提出と関連手続き
- 出生届・死亡届の提出と関連手続き
>>海外で妊娠出産どうする?母子手帳の貰い方や帰国する場合の注意点 - 免許証など日本の公的書類の英文の翻訳証明書
- 在外選挙の投票
>>在外投票制度とは?選挙人名簿の登録方法や投票のやり方ガイド - 万が一事件や事故に巻き込まれた時の邦人援護
など。
場所に寄って取り扱っていない項目もあるので、事前確認されて下さい。
他にも、現地情勢の悪化や犯罪多発などのお知らせメールや、災害時の安否確認の連絡なども大使館で行うこともあります。
ただし、在外公館には、その国の法律に関わることをどうこうする権限は無いので、犯罪などで捕まった場合やトラブルに巻き込まれた場合に援護できることは、その国の法律の範囲外に限られています。
日本国大使館・領事館のその他の役割
日本大使館や領事館は、日本人以外のために日本滞在VISAを発給してくれるところでもあります。
例えば現地の人や現地滞在中の外国人が、日本旅行に行くためのVISAを申請・受け取りに来るのは日本大使館ですね。
国際結婚した相手と日本に行く時に、配偶者の滞在VISAを申請するのも日本大使館です。
ちなみに、日本国内にある大使館や領事館は、在日本○○大使館で、
(在日本タイ大使館、在日本アメリカ大使館、在日本インド総領事館、など)日本以外の国の大使館となります。
私たちが日本国内にある他国の大使館のお世話になるケースと言えば、例えば帰国時に移住国のVISAの申請をする場合などです。
入国管理局 イミグレーションの役割とできること
入局管理局(イミグレーションオフィス、移民局、入管)は滞在している国の機関。
入国管理局(にゅうこくかんりきょく、英:Immigration Bureau)は、
日本における出入国管理、外国人登録、難民認定という外国人関連の行政事務を併せて管轄する法務省の内部部局である。一般的な略称は入管(にゅうかん)。※wikipediaより
これは日本にある入国管理局のことですが、在住国においても同じような役割と考えて良いでしょう。
上記の「日本のおける」の部分をその国に置き換えて下さい
空港の入国審査や(滞在許可スタンプを押すところ)も入国管理局によるお仕事ですね。
短期の旅行者でさえも入国時に確実に関わらなければいけない機関でもあります。
イミグレーションの役割は、
- 出入国審査と出入国スタンプの押印
- VISAなどの滞在許可申請や更新、延長など
- 外国人の不法滞在・オーバーステイの取り締まり
- 外国人の不法労働の取り締まり
最初の2つは関わる必要がありますが、後の2つは関わりたくないものですね。
くれぐれも、うっかりオーバーステイや不法労働はしないように、そして滞在期限や滞在資格にも注意して下さい。
捕まった場合は、国や内容によりそれなりの罰金、罰則があります。
イミグレーションオフィスは空港以外にも、大きな都市にはだいたいあるんではないでしょうか。
日本大使館領事館と入国管理局イミグレーションの違い まとめ
海外移住当初は意外と混乱している方が多い、日本大使館とイミグレーションの違い。
ものすごく大雑把に言えば、語弊がありますが「日本大使館は日本人の味方、イミグレーションは滞在国の味方」と考えると分かりやすいですね。
日本に関わることは日本大使館または領事館で、その国のビザや滞在に関わることはイミグレーションで、というのが基本です。